日本酒は個性鮮やかな独創の地酒 美作の国の酒
鳥取県と県境を接する津山市の最奥地、阿波地区
鳥取との分水嶺から山陽側に流れ落ちた清冽な源流水を使い、山田さんの小さな棚田では稲作がおこなわれます
山田さんは、今でも、手間がかかるが、収穫後に旨みが増すとも言われる、伝統のはで干し(天日干し)を行っています。
はで干しは、刈り取った稲を木と竹竿でつくった「はで」に掛ける作業で、時間と体力のいる重労働です。
一方酒屋では、均一な酒造りの最大の敵として米の割れを嫌います。
その原因は、精米時間、水分、枯らし期間等色々な説がありましたが
近年の研究で米の砕米の3大原因は、「収穫時期」「乾燥温度」「乾燥時間」
つまり収穫時期と玄米の処理方法の差で生じる、玄米由来の目に見えない小さな胴割れ(ヒビ)が原因と言う事が分かって来ました。
ゆっくり低い温度で乾かせば発生しにくいと言う事です。
その結果、天日で手間暇をかけて乾かすという昔ながらのはで干しは、最も胴割れを起こしにくい最善の方法と言う事が出来ます。
「今年は、鹿に(田んぼの中に)はいられました・・・」
そんな素朴な山田さんの人柄がより良い
米づくりへとつながっています
阿波地区は、鳥取との分水嶺、山陽側の源流の地です。
源流の地ゆえの清冽な水に恵まれた反面、山に囲まれた、小さな棚田が連なり、深山からの害獣の出没も多く耕作に人手のかかる地域でもあります。
国の減反政策廃止による作付けの自由化。
TPPによる農産物の自由化とあば地区の農業は、厳しい環境にあります。
今回の源流米純米酒「あばの颯」プロジェクトについてお話しします。
津山市の再奥地にある阿波地区では、分水嶺から湧き出る源流が流れ込む棚田で
昔ながらの丁寧な米作りが行われています。
岡山だというのに冬は深い雪が積もる
この地域だからこそ生まれるこの米は人をうならせる味わいを持っています。
しかし素朴な人柄の農家さん達ゆえ、今まで地域外でほとんど知られることは ありませんでした。
そんな阿波の素晴らしさを日本酒と言う工芸品を通じてお伝えしようという形でこのプロジェクトは始まりました。
コンバイン(稲を刈り取る機械)の幾倍も手間をかけたお米は、美味しいお酒に仕上げるのにふさわしいものです
そしてそのおいしさが伝われば、きっと阿波の伝統的な米作りも守っていけるのではと考えています。
きれいな水と米と酵母だけでつくられる阿波の純米酒を一度味わっていただければ、私たちの思いがきっと伝わるのではないかと思いながら、眠い目をこすりつつ作り込みました。
そして、
自然豊かな源流の地の農産物の価値を見直すとともに
どうか皆様、山田さんの全霊、全身でうちこむ、こだわりの米づくりへの応援をよろしくお願いします。